ビジネスの核「刺さるベネフィット」を作る5つの手順
「ビジネスでは『お客様に刺さるベネフィット』が大事って聞くけど、どうやって作るの?」
そんな起業家の悩みにお答えします。
お客様が商品を買うときに一番注目するのが、「あなたのサービスを受けると、どんな素晴らしい未来が手に入るの?」という結果です。
これを「ベネフィット(提供価値)」と言います。
前回お話した「ターゲット決め」と並ぶビジネスの最重要ポイントであり、ここを鋭く打ち出すことが重要です。
そこで今回は、刺さるベネフィットの作り方を、5つの手順でお伝えします。
本記事の内容は、2022年3月28日、静岡ゼロイチ起業サロン「第2回勉強会」で実施しました。
「刺さるベネフィット」を作る5つの手順
ステップ0、ベネフィットを理解しよう
ステップ1、ペルソナをイメージしながら、ベネフィットを100個挙げてみよう
ステップ2、ベネフィットの連鎖を考えよう
ステップ3、ターゲットに刺さりそうなものを3~7個厳選しよう
ステップ4、インタビューを通じて1つに絞ろう
ステップ5、反応率をテストして、改善を続けよう
ステップ0、ベネフィットを理解しよう
ベネフィット作りに入る前に、ベネフィットとは何か、理解しておきましょう。
誤解を恐れずに言うと、
ベネフィット = お客様の理想の未来
メリット = 商品の特徴
だと思ってください。
例えば「デジタルカメラ」なら、
「2000万画素の高画質、40倍でズーム可能」という特徴・機能のがメリットで、
「運動会で子どもの表情が撮れる」のがベネフィットです。
販売者はカメラの「機能」をアピールしがちですが、お客様が本当に欲しているのは「子どもの表情が写った写真」ですよね?
このように、お客様に訴求するときは、
メリットではなくベネフィットを打ち出すことが大切です。
また、ベネフィットを作る時は、できるだけ「お客様に刺さる表現」を使いましょう。
例えば、「抽象的な表現」よりも「具体的な表現」を打ち出したり、「数字」を入れると効果的ですよね。
例:×理想の未来になる → 〇ワクワクした毎日になる
例:×売上が上がる → 〇売上が2倍になる
中でも、
ベネフィットは、Before→Afterで示すと効果的です。
有名なのがライザップで、「だらしない体」が「スマートな体」に変化するという強烈なBefore→Afterを示していますね。
あなたの商品は、お客様をどんな未来に連れていけますか?
まずはここで説明した「ベネフィットの考え方」を押さえて、実際に作成していきましょう。
ステップ1、ペルソナをイメージしながら、ベネフィットを100個挙げてみよう
まずはベネフィットをたくさん書き出してみましょう。
ペルソナ(ターゲットの具体像)の顔をイメージしながら、
最低でも30個、できれば100個挙げてみましょう。
いろんな角度から、お客様への訴求点を考えておくことで、自分の商品の解像度も高くなりますからね。
実際に私たち「静岡ゼロイチ起業サロン」も、立ち上げの際には87個のベネフィットを書き出しました↓
ステップ2、ベネフィットの連鎖を考えよう
ベネフィットをたくさん書き出したあとは、似たようなものをグループに分けていきます。
この時に重要なことが、
ベネフィットは連鎖する
ことです。
例えば私たち「ゼロイチ起業サロン」なら、
「勉強会に参加する」ことで、「売れるビジネスコンセプトが作れる」ようになり、結果として「売上がアップ」して、起業家として「理想の人生になる」という、連鎖が起きます。
このように、
ベネフィットを、手段(How)から目的(Why)に連鎖して分類します。
そして、この中から、
自商品が実現できる層を選び出します。
本サロンの場合、「勉強会に参加する」のはただの手段に過ぎません。
一方で、「売上アップ」や「理想の人生になる」は、やや遠い未来の姿(目標)で、本サロンがダイレクトに提供する価値ではありません。
ですから、本サロンの場合は、「コンセプトが作れる」を最適なベネフィットと位置づけました。
あなたも、書き出したベネフィットを、こうした連鎖を考えながら、どの層が最適かをグループ分けしてみましょう。
ステップ3、ターゲットに刺さりそうなものを3~7個厳選しよう
ベネフィットの連鎖を通じてグループ分けできたら、ターゲットに刺さりそうなものを厳選しましょう。
ここでは1つに絞り込まず、3~7個程度にします。
ステップ4、インタビューを通じて1つに絞ろう
ベネフィット作りでは、お客様の声が必須です。
特に1人でビジネスをやっている場合、「独りよがり」になりがち。
このままではお客様に刺さるベネフィットが打ち出せませんから、この段階で徹底的にインタビューをしましょう。
3~7個に厳選したベネフィットを、最低3人、できれば10人にインタビューして、1つに絞りこむことです。
この時のコツは、「どう思う?」と抽象的なインタビューをするのではなく、
「一番ダメなものはどれですか?」
と聞くこと。こうして消去法で消す方が、相手の本音を反映できますからね。
さて、
ここまでやって1つに絞ることができれば、とりあえずは仮決定です!お疲れ様でした!
完璧な100点のベネフィットではないものの、ある程度鋭いベネフィットになっているはずです。
一旦これで、商品開発を進めていきましょう。
ステップ5、反応率をテストして、改善を続けよう
一度決めたベネフィットも、完璧とは限りません。
常に反応率をテストして、改善を続けましょう。
マーケティングの世界では、これを「ABテスト」と言って、「広告」や「LP(ランディングページ)」の最適化で使われますね。
常に改善をしましょう。
まとめ
今回は、刺さるベネフィットの作り方を、5つの手順でお伝えしました。
「刺さるベネフィット」を作る5つの手順
ステップ0、ベネフィットを理解しよう
ステップ1、ペルソナをイメージしながら、ベネフィットを100個挙げてみよう
ステップ2、ベネフィットの連鎖を考えよう
ステップ3、ターゲットに刺さりそうなものを3~7個厳選しよう
ステップ4、インタビューを通じて1つに絞ろう
ステップ5、反応率をテストして、改善を続けよう
この手順でベネフィットを考えれば、鋭いベネフィットを打ち出すことが可能になります。
経験豊富な方は、もっとサクッとやると思いますが、起業初心者のうちはこのセオリーをしっかり守って、ベネフィットを作っていきましょうね。